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銭湯の入り方講習会

もう10年ほど前のことです。
私は海外から来たお客様(イスラエル人6人、スペイン人1人)を前に、「日本の銭湯の入り方講習会」をしたことがあります。

たいへん酔狂なお客様で、
「ぜひとも、日本のBuddhism Temple(お寺)に泊まりたい」とのことで、京都の宿坊に泊まることになり、その晩、近所の銭湯にお湯をもらいに行く予定になっていたのです。
で、私はいっしょに入らないので、なんとか口頭で「銭湯の入り方」を伝授しなければなりません。ちゃんと入れるかなぁ・・・不安でいっぱいな私。

「日本の銭湯では、最初に靴を脱いで、下駄箱にいれなければなりません。OK?」
「OK」
「ロッカールームの入り口で料金を支払います。そして、洋服をすべて脱ぎ、風呂場に持っていくもの、せっけん・シャンプー・タオル以外のものをロッカーにいれて浴室に行きます。OK?」
「えー、全部脱ぐの?」
「さて、浴室は、洗い場と浴槽に分かれています。まずはひとつ桶を選んで、自分の洗い場を選びます。OK?」
「OK」
「すぐに浴槽に入ってはいけません。さらに、洗い場では立って体を洗ったりシャンプーしては、いけません。それは日本では恥ずべき行為とされています。備え付けの腰掛に腰をかけるか、しゃがんで(クラウチング スタイルで)体を洗います。また、体を洗う際、直接シャワーで洗ってはいけません
「えーーー。なぜ?」
「しぶきがとんで隣人に迷惑をかけるからです。ぜったいにしぶきを隣人にかけてはいけません。お茶の作法のようにして、体を洗います」
「なるほど、日本では風呂に入るにもZENの心なんだね」
浴槽に入る前に、桶に湯をとり、石鹸にて体を清めて、石鹸の泡の残りがないように、湯で清めて、いよいよ浴槽に入ります
「浴槽の中でbubbleを流してはいけないんだね?」
「はい、そうです。浴槽には他の人も入っていますから、Jump inしてはいけません。静かに入ります。浴槽にぜったいにタオルを浸けてはいけません。基本的に浴槽に浸けていいのは、清めた皮膚だけです
「OK]
「浴槽はたいてい2つに分かれています。片方は42度程度、もう片方は44度程度あるかもしれません」
「えー。それって、boiling waterじゃん。ゆで卵になっちゃうよ」
「でも、水でぬるめてはいけません。水でぬるめてよいのは小さい子だけです」
「外国人はいいんじゃない?」
「ちょっとはいいですけど、ジャージャー水でうめてはいけません。OK?」
「・・・OK・・・」
浴槽に入っている間に、手ぐしをしたり、鼻をかんでは絶対にいけません。浴槽の湯が汚れるからです。浴槽の湯に髪の毛を落とすのは日本では恥ずべき行為とされているので気をつけてください」
OK
「さて、体があったまったら、洗い場に出て、体をきちんと洗います。そして、必要であれば、シャンプーをします」
「さっき、一度あらったじゃん」
「それは、清めただけですので、ここで本格的に洗います。くれぐれも、立ってシャワーを浴びないようにしてください」
OK
「ここで、もう一度浴槽に戻る場合には、シャンプーした髪を一度タオルで拭きます。髪が長い人はバレッタやタオルで止め、決して浴槽の湯に髪が浸からないように気をつけてください。シャンプーで出た抜け毛は丸めて後でゴミ箱に捨てます。そのあたりに散らかしたままではいけません」
う・・・たいへんだなぁ
「さて、すべての工程が終わったら、桶に新たしい湯を汲み、タオルを洗い、それをよく絞ります。その後、桶をよく洗います。桶は次の人がまた使うので、垢やぬめりが残らないよう清めましょう」
「OK」
「新しい湯を桶に汲み、洗い場の入り口まで静かに進み、そこで、足に湯をかけて、足を最後に清めます。次に絞ったタオルで全身をよく拭きます
「体はバスタオルで拭くんじゃないの?」
「いいえ。ロッカールームにびしょびしょで入ることは、日本では恥ずべき行為とされているので、よく気をつけてください。OK?」
「やっぱり日本はtea ceremonyの国だね。風呂ひとつ入るにも、たいへんだ!」

さて、銭湯から帰ってきて、みなさんが言うには、
「ねぇ、立ってシャワーしていたおばさんがいたけど、あれはルール違反ではないの?」
by myobento | 2007-02-10 12:34

毎朝20分で作る!お弁当の記録


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お弁当を作り始めて
早20年。
フルタイムで働く私と家族のお弁当を作っています。時代遅れのお弁当ですが・・・

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